2021年度の六華ゼミ最後となる第9回目は、京都大学薬学研究科 薬学専攻 生体機能解析学分野 准教授 白川久志氏を講師に迎え、12月3日(金)に開催されました!
今回のテーマは、
「初心『こだわる』べからず!?~研究者への歩みと、その心得とは~」。
高校時代は放送局。全国大会にも2回出場したり楽しくやっていた…そして必然的に落ちる成績。一時は目標を見失ったこともあったそうです。
あるとき友達が、「自分は東大をうける。一緒に受けよう!」
まるでドラゴン桜のように、そこからスイッチが入ったとのこと。
一緒に勉強する仲間の力が大きかったそうです。
~南高生の皆さんへ①~
・互いに高められる友人を作ってください。
・教えることは自分が学ぶこと。ぜひ互いに教え合ってください。
・何事もあきらめないで、最後の一瞬までがんばってください。
東京大学理科二類を目指し、結果的に京都大学総合人間学部に入学、文転。当時はメディア関係の仕事を目指していたが、1年で自分には向いていない…と、調べたところ、医学科以外のすべての学部に転学部ができることがわかり、いろいろな学部を検討することに。そのときに薬学部の生物の講義に出会い、2年生から薬学部への転学部を決めます。高校時代、受験に関係ないとまったくやらなかった生物が、すごくおもしろかったそうです。
~南高生の皆さんへ②~
・食わず嫌いはおすすめしない。
・受験科目に必要ないから、とやらないのはもったいない。
・得意なものではなく、苦手でもたとえ点数が取れなくても、ワクワクする方を選ぼう。
その後、薬学部の話、研究の話、研究者になるには…と大学入学のその先の話を具体例をあげて詳しく説明してくれました。
カプサイシンはなぜ辛いのか?がノーベル賞につながった話や、睡眠の重要性、「やればできるんだ」と信じることの重要性が実験データから説明され、とても興味深く濃い内容の連続でした。
南高生にもどうして?なぜ?の気持ちをぜひ忘れずに持ち続けてほしい、とのことでした。
そして南高生の皆さんにはぜひ理系・文系の型にはまらずに、幅広く両方勉強して二刀流を目指してほしい、とのことでした。受験には不利かもしれませんが、将来きっといいことがある。責任はとれませんが、とのことです(笑)
評価基準がガラッとかわるので、学部の成績が悪くても、研究者になる道はいろいろある、という話が印象深かったです。
現在白川氏が共同研究している医学系教員の中には文学部卒業の方もいるそうで、学部にこだわる必要はない、努力次第でなんでもできる。むしろその方が成功する…?とも話されていました。文系と理系、そこには大きな壁があると思っている人が多いと思いますが、それを華麗に乗り越え活躍しているさまざまな実例を知ることで視野がぐっと広がったのではないでしょうか。
~南高生への皆さんへ➂~
「In Science, Truth always wins.」Max Perutz(ドイツ、1962年ノーベル化学賞)
研究内容は難しく感じるところもありましたが、研究の面白さがとても伝わる講義でした。途中京都の独特な言い回し「京都ことばクイズ」でほっと一息つく場面もありました。
研究のモチベーションは「世の中をよくしたい」ということだそうですが、モチベーションが下がったら?の質問に、知れば知るほど楽しいので下がることはないです、との答えが印象的でした。
この講義を聞いていた南高生の中からもきっと次世代の研究者が出てくれることでしょう。実際にアンケートにも「3か月後京大薬学部を受験します!」との声がありました。これからの南高卒業生の活躍が楽しみです。
今回を持ちまして2021年度の六華ゼミ全9回が終了しました。出演を快諾してくれた講師や企画運営にあたった南46期のみんな、ご協力頂いた南高の先生方、そして熱心に参加してくれた南高生、すべての関係者のおかげでこの素晴らしい企画がコロナ禍の今年も昨年同様に無事開催されたこと、心より感謝いたします。誠にありがとうございました。