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【第8回六華ゼミ開催報告】

第8回目は、南46期の女性4名を講師 (講師 清水 幸恵 氏/工藤 麻希 氏/上徳 ひろみ 氏/ビンセント 結弓 氏)に迎え、11月12日(金)に開催されました! 

座談会形式で行われた今回。テーマは「ライフステージの変化に負けない女性の働き方~25年前の自分に伝えたいこと~」。

 まずは、4名の自己紹介からスタート。

 

 

 

 

~清水(旧姓:櫻庭)幸恵氏~

専業主婦の母の影響で「一人でも生きていけるように」と、有資格の職業を考えて、精神障害を抱えた身内がいたこともきっかけに心理の道へ。臨床心理士・公認心理士・精神保健福祉士の資格をもち、現在NPO法人で相談員・研修講師などをされています。本日のMCも務めてくれました。

 

 ~工藤(旧姓:遠藤)麻希氏~

小さいころから医学部を目指していたが、なかなか思うようにいかず、浪人中、高校時代の親友と担任のアドバイスもあり同じ医療の道ということで歯学部入学を決めたとのこと。今は歯科医が天職!だそうです。現在福住デンタルオフィスを開業されています。

 

~上徳ひろみ氏~

整形外科の父親の影響もあり、子どものころから医師になることしか考えていなかったとのこと。内申点にほとんどキズがついておらず、指定校推薦で受験→合格。消化器外科に入局したものの、乳がん診療にはまって乳腺専門医となり現在は上徳整形外科・乳腺外科にて乳腺専門医をされています。

 

~ビンセント(太田)結弓~

高校時代は飽き症+器用貧乏で、決め手なし。両親ともに南高出身の環境で、親に敷かれたレールに乗るより広い世界へ!と同志社大学へ進学。大学時代も引き続き決め手はなく、海外へ行こうか…と考えていたが、たまたま受けた高倍率のレコード会社に就職。刺激的で楽しい充実した社会人生活を経て、結婚・出産・育休・復帰するものの、子育ての壁+時代の波で早期退職。13年のキャリア×勉強×修行×子育て経験→法人化。PRの仕事をされています。

 

仕事も子育てもパワフルに活躍している4名が、“将来に向けて、頭の片隅に入れておいてほしいこと”としてライフスタイルの3つのテーマで率直に話してくれました。 

1:結婚について

家族の在り方の多様化、生涯未婚率の上昇、共働き世帯の増加。女性には、結婚・出産後を視野に入れたキャリア形成、という視点が必要になってきます。その中でぜひ知っておいてほしいこととして、出産年齢と流産率、出産年齢と染色体異常のグラフを紹介されました。ライフスタイルがどんなに多様化しても決して避けられない女性の身体の現実。南高生の皆さんは、今はピンと来なくても、ぜひ頭の片隅に入れておいてほしい大切な視点です。

4人が共通していたのは最初から結婚しようとは思っていなかった、ということ。皆さん、結婚願望<キャリア。結婚したのは、たまたまのタイミングといい出会いがあったから、と口をそろえていました。お互い理解し合えるパートナーを選ぶことが一番!そんな素敵なパートナーとの偶然の縁をつかむためにも、同業種だけでなく、異業種との関わりがあるといい、とのことでした。

工藤氏は同業種同士の方が働きやすい、理解が得られやすいと思っていたが、周囲には異業種で週末婚、別居婚、主夫など多様なスタイルがある、とのことでした。

2:出産からの仕事復帰

資格のあるなし、また職場によって、復帰のしやすさにかなり差があります。

医師、歯科医師と国家資格を持つ工藤氏と上徳氏は、比較的キャリア継続しやすいが、働き方は変わるので工夫が必要とのこと。工藤氏は、勤務医は夜勤があったりすることから、自分で働きやすい環境を作るために開業した、とのことです。

資格を持たない一般企業の正社員の場合、復帰後は配置換え、職種替えにより、給料が下がる可能性があるとビンセント氏。契約形態によっては復帰が叶わないこともあります。仕事内容などに固執せず新しいキャリアを積むと考え方を切り替えて、柔軟に!が生き残る道、とのことでした。

臨床心理士などの資格を持ち、NPO法人で働く清水氏は、比較的女性が多く、理解がある職場、とのことですが、復帰のしやすさや自分の働きやすい環境を選べる国家資格はやはり強いと感じる、と話していました。

〈子どもの預け先の確保〉

・重度のアレルギー持ちのため、受け入れ先がなかなか見つからなかった(清水氏)

・保育園激戦区住まいで夫が自営業のため指数不足、認可保育園不承諾。送迎付き認可外園で急な残業にも対応してもらった。給料が全部保育園代ということも…(ビンセント氏)

・待っている患者さんがいたので、出産の1週間前まで仕事。体への負担を考え、無痛分娩。産後2週間で復帰。職場にベビーベッドを置いて子どもと同伴出勤していた(工藤氏)

・1人目のときは難産だったこともありなかなか復帰できず、精神的につらかったことも。帯広は比較的保育園に入りやすかった(上徳氏)

 

3:子育てと仕事の両立の工夫

子育ては思っていたよりも大変!というのが、4人の共通意見。100人いれば100通り!正解はない。今は情報がたくさんあるので、イマジネーションをもって、使えるものは全部使って、「自分が一番心の健康を保てる選択肢を選んでほしい」ということばが印象的でした。

 

盛りだくさんであっという間だった1時間。女子生徒だけでなく、男子にも“自分事として”ぜひ知っておいてほしい内容でした。こうやって女性が活躍し、声をあげることで、新たな道が切り開かれ、どんどん整備されていくのだと感じました。きっと南高生の皆さんが社会に出るころには今よりももっと自分の望んだ選択肢を選びやすい環境ができていることでしょう。

 

次回はいよいよ最終回です。お楽しみに!